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 まず、最初に国内選手権をみる前に得た情報から。

 ラドゥカンは大会の数日前のインタビューでベルギーの世界選手権の後、引退したいとコメントしたそうです。これはベルコーチ達の(協会とのいざこざによる)進退問題が絡んでいるようです。以前から問題となっていたことで、本当にどうなるかはわかりません。

 今大会のラドゥカンは膝の怪我もあってか、明らかに体重オーバーしているのがわかりました。精神的な問題もあるでしょう。実際点は出ていましたが、 他の選手の演技のほうが良かったなぁと思うこともありました。

 一方、怪我が心配されるイサレスク。3度の手術のため苦しんでいるようです。引退はしていないようなので、来年こそは演技がみられるといいのですが・・・。

 さて暗い話題から入ってしまいましたが、ベテランが苦しむ中、若手が順調に伸びてきているのも感じました。コジョカール、ストロエスク、イオネスク、サボー、ペトロフスキ等。主要選手に関しては、2日間通して、個人総合のコジョカールとペトロフスキの平均台の着地の失敗以外は熟練性をかんじさせる演技でした。価値点のことはわかりませんが、世権前にもう少し詰めれば熟練性に関しては大丈夫そうです。 

■個人総合

跳馬

  1本のみの実施でコジョカールがユールチェンコ2回ひねりを実施。ストロエスク、ボボックが1回半ひねりを実施。サボーとイオネスクがユールチェンコ1回ひねり。シニアのナショナルメンバーのみ新跳馬使用でした。ペトロフスキは旧跳馬の班と一緒に回っていて、ユールチェンコ2回ひねりを持っているはずですが、跳馬自体を棄権していました。

段違い平行棒

 サボーがきちんとした倒立姿勢をもっていて振り・離れ業の大きさも十分でした。素人目にはイサレスクよりも質がよく感じたのですが、どうでしょう? 彼女は平行棒の助っ人として欠かせないと思います。また、ペトロフスキは降り技に新月面をもってきていました。ストロエスクは高得点を出していましたが、おそらく価値点が高いためだと思われます。イオネスク・コジョカールはまずまず。ラドゥカンはナショナルメンバーの中では、一番不得意っぽかったです。

平均台

 

 ナショナル選手に限らず、着台の技術がうまかったです。ちょっとバランス崩してもすぐに体勢を直せるし、このへんはさすがルーマニアだと思いました。とはいえ、アポストルはここで2回も落下してしまいましたが・・・。注目選手ではペトロフスキが台上で2回のちょっとしたぐらつきがありましたがなかなか良い出来だったのに、着地の3回ひねりでお尻と背中をつく大失敗!(ショックを受けたかなぁと心配していたら、この後の床はちゃんと復活して9.4台の高得点を出していました)。ストロエスクは前宙で少しぐらついたものの、後転飛び+後方宙返り+後方宙返り半ひねりを決め確実な演技を実施。コジョカールの後転跳び後方宙返り1回ひねりはややぐらつきがあり、他は確実に決めたものの、下りの3回ひねりで着地が大きく流れてしまいました。台上の後方宙返り1回ひねりを決めたのはイオネスク。彼女は下りの2回ひねりまで全くノーミスで、ラドゥカンに並ぶ高得点でした。ラドゥカンは後方宙返り1回ひねりと開脚ジャンプ+片手後転飛びで1歩足が出たが、他の技は確実に決めてました。しかし普段、彼女のキビキビとした完璧な演技をみているものとしては、重たい演技でなにかスッキリしないものがありましたが・・・。

 ラドゥカン、ボボック、ストロエスク、ペトロフスキ、サボー等、新しい振り付けでした(おそらくイオネスクも)。振り付け師が変わった(?)せいか、全体的に大人っぽい振り付けでルーマニア民謡は使われておらず、スパニッシュ調のものかクラシック等を使用していました。「踊れないルーマニア選手」というのは卒業(?)出来そうです。しかも演技中に笑顔がみられたり(コジョカール、ボボック、ペトロフスキ等)と一時期のルーマニアとは変わってきているようです。各選手とも4本のシリーズで、第一シリーズが、ストロエスク:伸身2回宙返り、コジョカール:ランディ、ボボック:テンポ+月面、ラドゥカン:月面で、第2・3・4シリーズにテンポ+3回ひねり、2回半+伸身前宙、3回ひねりor屈伸ダブルを持ってきている選手が多かったです。主要選手で床でミスする選手はいませんでした。個人的には、コジョカール、ペトロフスキ(あとサボーも)の演技が気に入りました。


 とにかく、ラドゥカンのコンディションが今一つで、現時点ではコジョカール・ストロエスクが調子を上げていて少し抜かれている感じがします。とはいえ、技の技術(質)は維持しているので、まずは体重管理、やる気(?)の問題だと思うのですが(膝の回復状況は?です)。ボボックは、会場で結構人気があったと思います。ベテランらしく確実に演技を決めていました。絶対に失敗しそうにないので、精神面で頼りになる存在かも・・・。


↑サビナ・コジョカール

↑シルビア・ストロエスク

↑モニカ・サボウ

↑オアナ・ペトロフスキ

↑サボウ(左)とカルメン・イオネスク(右)

シニア
1. Sabina Cojocar 37.800
1. Silvia Stroescu 37.800
3. Andreea Raducan 37.575
4. Carmen Ionescu 37.125
5. Loredana Boboc 37.000
6. Monica Sabou 36.400
7. Oana Petrovschi 28.875 (跳馬の演技せず)

ジュニア
1. Ana Gavojdea 36.350
2. Alexandra Eremia 35.900
3. Floarea Leonida 35.775
4. Florenta Oancea 35.600
5. Iuliana Chindea 35.475
6. Madalina Ripeanu 35.450
7. Dorina Rosca 35.400
8. Larisa Apostol 35.325
9. Georgiana Padure 35.225
10. Roxana Becheanu 35.075

■種目別

跳馬

 ラドゥカン以外、みんな同じペナルティーを食らったのは残念な結果です(管理人注:種目別では違うグループの技を選択して、二本跳ぶ訳ですが、同じグループの技を行った為、減点を受けたということ)
 ベルコーチが跳馬を一番心配しているのは2本の跳躍を揃えるのに苦労しているから?? 持ち技がないわけではないと思うけど、新跳馬に対応出来てないってことでしょうか。優勝したラドゥカンは1本目は手を着く(たぶん着いていると思います)失敗。そして2本目の助走に入ったとき、跳馬の前の観客が何かラドゥカンに向かって叫んだ為、ラドゥカンは飛ぶことが出来ませんでした。後で聞くところによると、14歳くらいの子が何かいやなことラドゥカンに向かって叫んだということです。ベルコーチは怒って、わざわざ観客席に注意しに言ったそうです。(というのも私はカメラ撮るのに必死で見てなかったんです(^^;))2本目は着地が1歩前に出るミス、優勝したもののやはりオリンピックの完璧な演技見てるものとしては、唸らざるを得ませんでした。ボボックは、会場の大きな声援を受けてました。しかし、残念にも2本とも着地が乱れてしまいました。基本的に後ろに飛びすぎてしまう選手が多かったです。着地がぴったり止まった選手はなく、ストロエスクとコジョカールが辛うじてまだマシかなという感じでした。

段違い平行棒

 個人的にはサボーが、線の綺麗な落ち着いた演技をするので、優勝して欲しかったのですが、価値点のせいか点が思ったほど伸びなくて残念。 ストロエスクも得意種目だと言ってるだけあって、線はそれほど綺麗だと思わないのですが、価値点も高そうだし、ルーマニア選手の中では良い方なんだと思います(私の好みの演技ではないのですが)。低棒のけあがりで失敗かな?と思ったところがありましたが、点数からすると失敗ではなかったのかな? ペトロフスキもなかなか綺麗な体操をする選手です。でも、まだそれほど技も入ってないみたいです。下り技の新月面は良かったです。

平均台

 ストロエスクは、台上ではふらつきも全くなく完璧な演技でした。唯一のミスは着地で少し一歩下がったくらいでしょうか。本当に彼女は正確で安定しています。今大会ミスらしいミスってなかったのではないでしょうか。コジョカールも大技をピタリと決めて、ほぼノーミス。側宙でちょっとひやりとするところがありましたが、下りの3回ひねりも決めました。ラドゥカンは後方宙返り一回ひねりでやや着地でバランス崩した以外、後はいつもどおり完璧、着地もピタリ。でも、ちょっとジャンプが重かったかな?
 サボーはコジョカール達に比べると、それほど難度の高いものは入ってないようだし、ややふらつきが多いのが残念。でもとても綺麗な線を見せる選手で手の先まで神経の行き届いた演技が好感持てます。こういうことをいうとファンに怒られそうですが(^^;)、何となく彼女の平行棒でもホルキナを思い出すのは私だけなんでしょうか(難度的にはホント高いものは入ってないんです。しかも華があるってタイプでもないし)。イオネスクは個人総合は完璧でしたが、種目別はジャンプと前宙でややぐらつきがあり。後方宙返り一回ひねり、側宙、下り技(たぶんこちらは3回ひねり)と共にピタッと決めたのですが。
 しかし、やっぱりルーマニア平均台、技の決め方が見ていて気持ちがいいです(^^)。

ゆか

イオネスクは入りのムーンサルトでバランス崩してラインオーバー。ボボックは着地がなかなかピタリと止まらずいつも一歩跳ねていました。コジョカールは、実施はほぼノーミス。しかし最後のシリーズ(テンポ+3回ひねり)でラインオーバー。コジョカールはダンスの見せ場で笑顔を見せるなど、アピール性のある床を演じてくれました。コジョカールは本当に可愛らしくて、ルーマニア選手の中でも華のある選手だと思います。個人的には、彼女の床が一番良かったです。ストロエスクここでもほぼノーミス。ラドゥカンも、ダンスはやや重く感じたものの、さすがにどのシリーズも着地まで完璧に決めててました!


↑ロレダナ・ボボク

↑ラリサ・アポストル

■アマナール引退セレモニー

 9月22日、国内選手権の個人総合があった日の夜、19:30からコンスタンツァの小さな音楽堂で、アマナールの引退セレモニーが行われました。聞くところによると、「コンスタンツァ市民を招いて」というオープンな催しだったようです。


 私が音楽堂に着いた時、まだ人はほとんど来ていなくて座りたいところに座ることが出来ました(自由席)。でも開演前にはいつの間にか超満員に。子供達も大勢来ていて、もう賑やか、賑やか! おそらく体操をやっている子供達なんでしょう。Nadia Comaneti Culb?と書かれた、ジャージを着ている子供達もいました。子供達が前のほうの席を陣取ってしまっため、後からきたお偉いサン(?)達の席がなくて困るというちょっとしたハプニングもありましたが。


 そうしているうちに開演。まずはオーケストラによる演奏です。ヨハン・シュトラウスの「美しき青きドナウ」他4曲、日本でもおなじみの曲です。そして「カルメン(ビゼー)」、「椿姫(ベルディ)」、他、オペラ5曲が上演されました。まさかこんなところでクラッシックのライブを聴けるなんて思ってもいなかっただけにこれは嬉しい出来事でした(しかもタダで)。でも、オペラを聴いてクスクス笑っている子供達をみると、どこの子供達も同じだなぁと思いました。ユニークだったのが、楽しい曲調になるとみんなのりだして、手拍子を叩き始めたこと。クラッシックで手拍子を叩くなんて、堅苦しい音楽だと思っている日本では絶対考えられないことですよね。でもここではみんな、気軽に音楽を楽しんでいました。とても楽しかったです。

 そして大喝采の末、コンサートが終わり、アマナールの引退セレモニーが始まりました。まず初めにアマナールの現役時代の映像がスクリーンに映しだされました。オリンピック、世界選手権・・・。 そして本物のアマナール登場!祝辞や花束等を次々に受け、ベルコーチ、ビタングコーチもアマナールの為にお祝いに舞台に上がりました。ひととおりお祝いが終わった後、やや緊張した(?)アマナールの話が始まりました。ルーマニア語なので内容は解りませんでしたが、どうやら今までお世話になった人達や体操関係者・ファンに感謝の辞を述べているようでした。そして主催者側から、「シモナ」ケーキの贈呈! なんとアマナールの写真をケーキ上に描いてあるんですよ。しかもパンケーキで作った小さな平均台と平行棒も添えて。これには、アマナール・ベルコーチもビックリ!その後、再びお祝い贈呈。小さい子供達が次々に花束を持って舞台にいるアマナールに手渡し、そのお礼にアマナールにキスをもらっていました。

 そして、ここでなんとあのなつかしの選手登場! あまりにもさりげなくて、私も初めは気づかなかったのですが(たぶん会場の人達は気付いていたと思います。歓声が上がったので)、あの85〜89年ルーマニア代表として活躍した「ブレイクダンス」のカメリア・ボイネア(写真右の赤いパンツをの女性。右の赤いシャツの男性がウルジカ)。印象も変わっていて、さっさと手渡して、キスして去っていった為、友人に教えてもらうまで気づきませんでした。現在、ボイネアは結婚してコンスタンツァでコーチをしているそうです。そして、ウルジカも登場。体操会場では髭を生やしているのでちょっとおじさんっぽく見えますが)、ここでは真っ赤なシャツを着てちょっと気障っぽくって、印象が違って見えました。

 そうこうしているうちに会場でのセレモニーは終了。ロビーに出て立食パーティーが始まりました。入場無料で、誰でもパーティーに参加出来るんです。しかもシャンパンやらワインやらいくらでも飲めるんですから、太っ腹なパーティです。狭いロビーには様々なオードブルが並び、音楽がかかり、本当に賑やかでした。子供達から大人まで、いろんなものを食べまくっていました。そして、例の「シモナ」ケーキもみんなで山分けされ、あっという間になくなってしまいました。このケーキ、私も少し食べましたが、中にフルーツが入っていてとても美味しかったです。アマナールはというと、ロビーに少し現れて、すぐ奥の部屋に入っていってしまいました。でもドラグレスクは普通に友人達とパーティに参加していましたよ。かなりドキドキしましたが、話かけると「日本人?」といって簡単な日本語を披露(?)してくれました。日本にはまだ来日したことないのに・・・。ひょっとして日本びいき!? 


最後に、アマナール情報。彼女はボーイフレンドと来年、結婚する予定なんだそうです。音楽堂でボーイフレンドといる彼女を見かけましたが、もうアツアツで本当に幸せそうでした。
シモナ、お幸せに!