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この班は、チャイニーズタイペイが大差でリードすると思われたが、鉄棒で、いかにも「合ってない」ような回転不足で降り技で手を着くミスを繰り返し、また、アジア大会のあん馬のメダリスト、フアン選手もそのあん馬でミスをするなど、なかなかリードを奪えない状態であったが、つり輪からようやく盛り返し、何とかこの組のトップに立った。フィンランドは、かつての鉄棒のメダリスト、タンスカネンとモンコネンの鉄棒で、女子の大声援を受け、雰囲気は盛り上がったが、タンスカネンはもう今のルールでは対応できないのか、点がもう一つ伸びなかった。デンマークはファルダンがいるが、鉄棒では降り技qで屈伸三回宙返りを使わず、挑戦してこなかった。また、Brandtoftが大逆手エンドー一回ひねり大逆手を決め、SVを10点にして9.375を出していた。

<<第二班>>

何はさておき日本。ルーマニアもいたが・・・ルーマニアはドラグレスクとウルジカくらいしか見れてない状態・・・。日本の応援に集中していたことはご理解ください。ドラグレスクの跳馬のローチェひねりは9.812は見れたが、今日、ローチェ系をやった選手の中で比べ物にならない質であった。また、コロンビアも同じ班で、注目の平行棒で、キンテロがベーレ一回ひねりを決めた。しかし、コロンビアはこの選手のみに留まらず平行棒が強かった。コーチにアジア系の方がいたのだが、どこの国か確認してない(日本だったらごめんなさい^^;)。

さて、日本は、最初の種目の鉄棒が素晴らしかった。ミスらしいミスはなく、冨田が閉脚シュタルダー一回半ひねりでやや停滞したくらい。塚原は、昨年から不安だらけの大逆手懸垂で終わる技(閉脚エンドー一回ひねりなど)を全てきれいにまとめて、9.600を出した。ほぼ全員が観客席に向かって腕を嬉しそうに上げていたのが印象で気であった。ただし、佐藤のSVが9.6であったのが非常に残念であった。

ゆかは、最初の笠松が、シドニーの活躍をまたも思い出させてくれる雰囲気で最後のシリーズに入るまで素晴らしかったが、最後の二回半ひねり+前宙半ひねりで二回半が明らかに狂って前宙につなげられず、いやなムードのスタートとなった。そこから鹿島と山田と冨田のラインオーバーが続き、シドニー以来、ゆかの弱さをまた感じてしまう結果となった。観戦中の外国選手団からも、その弱さの話が出てしまった。しかし、最後の塚原は、ここ一番の強さを見せてくれて、伸身新月面と抱え込み新月面(着地が低かったが・・・)を見事に決めて、唯一高得点にした。しかし、ルーマニアに団体得点のリードを許してしまった。※どうやら、フロアが硬いということで、またも泣かされた形に・・・。

あん馬は、アジア大会のときをちらっと思い出してしまった。まず、佐藤が、ロシアンでかなりバランスを崩し、それを意地で立て直してくれた。笠松、鹿島、塚原はよかったが、冨田がウゴーニャンでこれまたかなりバランスを崩し、その後、交差でも若干詰まり、点を伸ばせなかった。日本はこの段階でルーマニアにかなり引き離される。

つり輪は、ミスの出にくい種目で、SVも稼ぎやすいので、各国点を伸ばせるのだが、それでも日本に対する点は高かった。佐藤から9.5以上、つり輪が苦手の鹿島も、構成をアップしてきて、SVが上がったとはいえ、9.3以上であった。つり輪のエース二人、山田と冨田は、かなりきれいな決めで力技を決めて、9.7と9.675を出した。ここで日本は再度ルーマニアを上回った。

跳馬も以前から課題だが、今回は着地が問題となった。鹿島は後ろに一歩下がり、体も横を向きかけた。笠松、塚原は横のラインを超えてしまい、冨田は着地で一歩下がり、しりもちを着いた。今回、種目別決勝には、二本跳ばないといけないのだが、日本で二本跳んだのはいない。そこまで狙える選手がいないということだが、この種目に関して早くも種目別進出0が決定したのは残念な気もした。

平行棒は、佐藤がこの日の日本の唯一の大きなミスとなる乱れを見せてしまった。途中、棒下宙返りひねりで大きく前に沿ってしまい、それでリズムが乱れ、降り技で後ろに大きく乱れてしまった。一番の得意種目といっていいくらいなのに、鹿島はティッペルトとの後で腕が曲がり、支持が屈腕となったため、価値点も下がり、点が伸びず、冨田も着地で二歩動いてもう一つ点を伸ばせなかった。しかし、最後の塚原は素晴らしく、構成も落ち着いたのか、非常に点の出やすいものになっていた(姿勢欠点が目立たない)と思った。

こうして、日本は、塚原が初日個人総合トップに立つ出来で、エース復活を日本のファンのみならず、外国選手団にも印象付けたと思う。冨田は逆に、弱さを見せた形となった。笠松はゆかの最後で乱れた以外素晴らしく、ベテラン二人の頑張りが今日の点数に出たと思う。決勝は、今日の5人の演技ではなくて三人のみになる訳だが、三人の中に、こうしたベテランが必ずしもいるとは限らず、今日のように、一人が乱れたときに他がどう取り返すか、精神的な強さを期待したい。


とにかくよくミスを最小限に抑えた日本!

久々のタンスカネンの姿でした。