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チリやアルゼンチン、ポルトガルといったラテン系がなぜか固まったこの班。特に注目されたのは、この班で唯一世界レベルのスロベニアのペトコフセックの平行棒とペガンの鉄棒だ。ペガンが今ひとつだったが、ペトコフセックは前半に棒下宙返り+棒下宙返りひねり+ベロゼルチェフの連続を持って来て、自身のある裁きで高得点となった。

その他、面白いと思った技で、ポルトガルのコマチョ選手の鉄棒の背面車輪からバーを越えながら前方二回宙返りというのがあった。ポルトガルは独特な構成が多かった気がする。跳馬では、「クエルボダブル」であるティンマーマンの本家、ティンマーマンが期待されたが、今日は余裕のあるローチェを見せただけとなった。

<<第四班>>

ドイツはハンビューヘンを最終に持ってくる演技順が多く、次期エースへの期待と会場に向けてのアピールも十分に出来た。会場の女の子も、大変喜んで応援しており、期待に応える活躍であったと思う。最初の跳馬で、ユルチェンコ二回ひねりを跳んだキアトコウスキが9.500を出し、順調に点を重ねていったが、高得点とまではいかなかった。

カナダはシューフェルトが絶好調で、カナダのエース格の風潮を見せていた。つり輪が弱かったが、ワールドカップでもメダルを獲得したゆかで9.687を出したのを始め、跳馬のユルチェンコ二回半ひねりも着地を止めて、ドラグレスクに次ぐ9.762を出し、カサマツ一回半ひねりも決めて、種目別も十分狙える位置につけた。イェルコフも得意の鉄棒が素晴らしく、リバルコから即大逆手一車輪回ひねり大逆手を決めるなど、9.650を出した。また、チームには日系のリチャード・イケダ、ケン・イケダ、デビッド・キクチという三人がいたが、チームの中堅として活躍していた。こうしてカナダは日本、ルーマニアに続く位置に着けた。観客席のカナダ選手団のコーチたちの演技毎に行っていたハイファイブの連発が、チームの雰囲気を物語っていた。

北朝鮮は、さすがにアジア大会のような得点にはならなかったが、平行棒で、ジョン選手が9.600を出す素晴らしい出来であった。エースのキム・ヒョンイル選手が構成として面白かった平行棒と鉄棒でミスが出たのが残念だ。平行棒では単棒からのヒーリー+ヒーリー+前宙支持という部分でアピールしたにも関わらず、ツイストで倒立にはまりきらず、屈身ダブルが回転不足となり、鉄棒はアドラー一回ひねりの後のエンドー一回ひねりを狙ったが、アドラー一回ひねりが回りきらず戻ってしまった。

イギリスは跳馬でジャクソン、ジェラードの二人が脚力の強さを見せた。ジャクソンのローチェは会場からもため息が出た大きい演技であった。

※跳馬に関しては、この班でもって、ユルチェンコ二回ひねりに高得点が出やすい傾向であるのを確信した。カサマツ一回ひねりをきれいに決めてもあまり点が出てないように思えた。


久々に見たヘスス・カルバリョ

ロペスの平行棒。キューバは全体的に平行棒が強かった。

早くも人気者のハンビューヘン。一際小さい!

思いのほか点が伸びなかったペガン