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この班は、イタリアが団体決勝に残れるだけの力があるのか、あるいは、五輪団体出場を争うところのレベルなのかが注目された。その他、エジプトの急成長振りも注目された。

エジプトは、跳馬がそこそこ強く、ユルチェンコ二回半ひねりや、ローチェひねりまで出て、いきなり強化の成果を感じた。イタリアは一昨年の世界選手権でも決勝に残ったブスナリのあん馬に注目されたが、質よりも技の演技には点数を出さないのか、、9.337に留まった。

つり輪のイタリアは、今大会でも選手団に入っていたかつての王者・ユリ・ケキに続く選手がいるか注目され、期待に応えて去年の世界選手権種目別に残ったコッポリーノが9.750を出した。演技を見逃してしまったが、観客の盛り上がりからすると、今までの傾向から見てかなり力技でアピールしてきたようだ。

イタリアは跳馬でアンゲロッティが屈身メリサニデスをを見せたが着地が乱れ、9.375に留まった。またオランダの鉄棒では、ゾンデルランドが閉脚シュタルダー一回ひねりから3回宙返りという連続を見せてくれた。

ハイライトはイタリアのカッシーナの鉄棒であった。伸身コバチ、伸身コールマン、抱え込みコールマンと、SEが三つという圧倒的な内容。着地の伸身新月面が決まったときは会場がかなり盛り上がった。しかし、得点はネモフに及ばず、9.687に留まった。

<<第十班>>

いよいよ地元のアメリカが登場し、そして最終の班ということでこれで決勝進出国と五輪団体出場国が決まる。観客席は、地元のチームの応援に来た人と、選手団でそれぞれの興味でこれまでで最高の盛り上がりを見せた。

アメリカはゆかでポール・ハムこそ9.562を出したが、ウィルソンが二回半から前宙系の連続に繋げるところを単なる抱え込み前宙にして価値点を下げ、モーガン・ハムも二本目で乱れた。ミスを二つかぶる形となった。この間、韓国の跳馬が素晴らしく、ヨー2を見せた選手もいて(名前不明)、9.762を出した。

あん馬でも、トップのガトソンこそよかったが、ウィルソン、モーガン・ハムと降りで手が外れてほぼ頭から落下したような状態になった。しかし、GWGで銅メダルを取り自信を持っているマックルアが9.562で立て直した。韓国ベテランのチョ・ソンミンが棒下宙返り一回ひねりを見せて、9.712をマークした。

跳馬からのアメリカは素晴らしかった。モーガン・ハムのカサマツ一回半ひねりの9.687が最高だが、それ以外で特に大きくミスをしたのがなく、この段階で何とアメリカがトップに立った。韓国はゆかで日本と同じようなラインオーバーなどのミスが出て、順位を下げた。

平行棒でもウィルソンの9.650を筆頭に、9.5以上を連発。しかし、小さなミスが多少あったので、この部分でこの点数にしていいのかという疑問は多少残った。韓国があん馬が苦手なのか点を伸ばせず、その間にフランスがマレーが鉄棒で9.712を出すなど、全体的に急に盛り上がりを見せた。韓国は、結局あん馬で東アジア大会の金メダルを獲得したシンがシバド移動で落下してしまった。ここでアメリカが日本に0.5近くの差を着けた。

最後の鉄棒では、アメリカは完全に乗っていた。細かく言えば減点になるところもあったが、出来は素晴らしく、マックルアは背面系でややそったような気がしたが、9.625をマーク。最後のポール・ハムは伸身トカチェフで落下したが、再度トライして、見事にトカチェフ系の3回連続からギンガーというシリーズを決めた。こうしてアメリカはまた、韓国が、ゆかで点の伸びないフランスをつり輪で逆転し、ユーウォンキルは十字懸垂がとても美しく、見事に9.675を出した。一人目のキム・デウンも9.600を出したので、韓国の最後の追い上げもすごかったということになる。

結果的に、決勝進出国は下記の通り。ベラルーシは初めて団体出場を逃した。

決勝進出:アメリカ、日本、中国、ルーマニア、韓国、ロシア、フランス、ウクライナ

五輪出場国:上記八カ国にカナダ、スペイン、イタリア、ドイツ


成長著しいエジプトチーム

僅かながら層が厚くなりつつあるイタリアチーム

さすがに去年の地元のアジア大会の方が勢いがあった韓国

ヨフチェフまでもあん馬で失敗してしまい、五輪出場権を逃したブルガリア

とうとう予選トップになってしまったアメリカ